遺産相続jungle…(名古屋高金沢支決・平成2年5月16日家月42巻11号37頁)

(名古屋高金沢支決・平成2年5月16日家月42巻11号37頁)

  • 判決04

 

判決04

「推定相続人の廃除は、相続的協同関係が破壊され、又は破壊される可能性がある場合に,そのことを理由に遺留分権を有する推定相続人の相続権を奪う制度であるから,民法892条所定の廃除事由は,被相続人の主観的判断では足りず,客観的かつ社会通念に照らし,推定相続人の遺留分を否定することが正当であると判断される程度に重大なものでなければならないと解すべきである。そこで,これを本件についてみるのに,前記認定事実のもとでは,なるほど抗告人と相手方とは,抗告人とYとの不和を契機にYがBの看病の手伝いをせず抗告人のみに任せたことから,次第に日常生活における円満を欠くようになって家族内で抗告人を孤立化させて寂しい思いをさせ,また,相手方らにおいて抗告人に反抗し,物を投げつけたり,制止のためとはいえ,老人に対し暴力を行使し,傷害を与えたことは些細なことと無視できるものではない。しかしながら,そのような暴行・傷害・精神的虐待の直接の原因は,抗告人の繰り返しの非難・謝罪要求にあることは前認定のとおりである。即ち抗告人は,妻Bが死亡したのはYが看病してくれなかったためであると言い続けている。確かに,暖かい家族のもとでの看護は病状を好転させることもあると考えられ,妻に先き立たれた抗告人の無念・悲しみは察して余りあるが,運命ということもあるのであって,医学的に明白であればともかく,Bの死をYの不協力が原因ときめつけるのは根拠不十分である。したがって,その意味での謝罪要求にYや相手方が応じなかったことを非難できない。もっとも,寝たきりの妻を一人で看病していた抗告人が途中でYに協力を依頼すれば,これに応ずるのが同居親族の義務であるといえる。したがって,Yが抗告人の求めを全面的に拒否したのは相当でないし,相手方がその間の調整役割を果さなかったことも結果的によくなかった。しかし,抗告人は,頼み方に問題があったとも思われるうえ,Yらに非があったにせよ,その後長期にわたり,子や夫のいる前で繰り返し言及し,直接的かつ強硬に非難を加え,反省・謝罪を要求し,これに応じないと興奮しては攻撃を加えるという方式は,よりよき家族関係を希つたうえでのことであろうが,行き過ぎで効果はない。抗告人は,家族から無視され精神的虐待を受けたと主張するが,抗告人が孤立したことは,家庭内不和の結果であって,前記抗争とは別の行為とは認め難いからこれをもって別個の廃除事由とみることはできない。以」このとおり,抗告人が受けた暴行・傷害・苦痛は,相手方.Y炎げに非があるとはいえず,抗告人にもかなりの責任があるから,その内容・程度と前後の事情を総合すれば,いまだ相手方の相続権を奪うことを正当視する程度に重大なものと評価するに至らず、結局廃除事由に該当するものとは認められない。さらに,1件記録を精査しても,相手方が抗告人所有の50万円を窃取した事実を認めることはできない。したがって,抗告人の主張する廃除事由は,いずれも認められない。」








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